2008年2月27日水曜日
第43回秀華書展特別資料展示「古典かなの美展」(予告)
「かな」と書物の歴史を示す名筆・希覯の書
2008年3月27日(木)から4月1日(火)まで、渋谷・東急本店7階特設会場にて、財団法人・日本書道美術院の主催する、第43回秀華書展特別資料展示「春敬コレクションによる 古典かなの美展」が開催されます。
協力:社団法人・書芸文化院「春敬記念書道文庫」
後援:毎日新聞社
入場料:一般・大学生 600円/ 高校・中学生 300円
入場:11時~18時30分(19時閉場) 最終日の入場は、16時まで(16時30分閉場)
*この期間に、渋谷・東急本店7階特設会場と8階工芸ギャラリーにて、第43回秀華書展が
開催されます。
インターネットで、この展示会の情報を得て、どのような作品が展示されるかを、財団法人・日本書道美術院の事務局に問い合わせましたところ、本当に驚きました。
社団法人・書芸文化院「春敬記念書道文庫」収蔵品を中心に、名筆と稀少な断簡が、30点も展示されることがわかりました。「春敬記念書道文庫」は、書家で、国文学・美術史・書道史の研究者であった、飯島春敬(いいじま・しゅんけい)氏が、生涯をかけて蒐集された、貴重な書道資料を収蔵しています。
今回の展示では、平安中期の伝藤原行成筆「関戸本古今集切」から、藤原俊成筆「顕広切」、藤原定家筆「三首詠草懐紙」を経て、江戸初期の本阿弥光悦筆「色紙」に至る作品が展示されます。日本の書の歴史を見渡す絶好の機会です。
「かな」が中心となりますが、『和漢朗詠集』の断簡(大字切、伊予切、太田切)も展示される予定です。漢字と「かな」の絶妙なコラボレーションも、見逃せません。
また、料紙装飾や、紙面の構成の仕方などについても、多くの情報を得ることができるでしょう。とりわけ伝後京極良経筆「豆色紙」のような、縦7.8㎝、横7.3㎝という、極めて小さい『拾遺和歌集』の断簡は、日本の書物の歴史を知る上での、貴重な資料であると思われます。
*寸法は、小松茂美氏編『日本書道辞典』(二玄社、1987年)によります。
その他、稀少な、伝宗尊親王筆「催馬楽切」、伝寂蓮筆「カタカナ古今六帖切」などは、書としてももちろん、古典文学の本文研究の点からも、非常に興味をかき立てられるものです。
そして、『万葉集』の、平安時代の古写本、元暦校本(11世紀後半写)巻第11、天治本(12世紀前半写)巻第10の断簡も展示されます。展示されることの少ない、『万葉集』の、平安時代の古写本の実物を、観覧できる貴重な機会の到来です。
展示会の開催を、待ちわびています。
*展示される作品についてお知らせくださった、財団法人・日本書道美術院事務局の格別の御厚意に、心より御礼申し上げます。