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2012年4月2日月曜日

2013年度からの青山学院大学日本文学科

AGU Spring

来年の2013年4月から、いよいよ青山学院大学日本文学科のカリキュラムが新しい体制となります。

東日本大震災のため延期になった文学部の青山キャンパス統合が、2013年4月に実現します。これに合わせて、新カリキュラムも2013年4月にスタートします。

この新しいカリキュラムについて、改めてアナウンスします。

■従来の「文学・語学コース」「日本語教育コース」の2コースが、「日本文学コース」「日本語・日本語教育コース」の2コースに再編成されます。

■「日本文学コース」には、日本文学を国際的な視野から捉える力を養う「文学交流科目」と、多様な表象を通して現代を論じる力を養う「表象文化科目」が新たに設置されます。
*「文学交流」とは、文学分野での国際的な交流を意味します。「文学交流科目」では、日本文学が海外の文学から受けた影響だけでなく、海外の文学に与えた影響についても考察を深めます。

■「文学交流科目
 「日本学入門」「文学交流入門」「日本文学研究のための英語」(1・2年次)
 「文学交流特講」「日本文学とアメリカ・ヨーロッパ」「日本文学とアジア」「中国文学・思想特講」(2~4年次)
 「文学交流演習」「翻訳演習」「中国文学・思想演習」(2~4年次)

■「表象文化科目
 従来の「表象文化論」(2~4年次)に、その基礎科目として「表象文化研究概論」(1・2年次)が加わります。

■「日本語・日本語教育コース」には、「文章表現法」「音声表現法」という日本語表現技術を学ぶ科目が、新たに設置されます(「日本文学コース」の学生も履修できます)。

■「日本語・日本語教育コース」の学生は、最終的には日本語専攻と日本語教育専攻に分かれますが、どちらの専攻の学生も、日本語学と日本語教育の両方の知識を身につけることになります。

新しい視野から日本文学、中国古典文学、日本語、日本語教育を学びたいという、意欲あふれる皆さんをお待ちしています。


2011年5月26日木曜日

青山学院大学日本文学科新カリキュラム実施の延期

先の記事「再来年4月から青山学院大学文学部日本文学科が変わります」で、2012年度から、青山学院大学文学部のキャンパスが青山キャンパスに統合され、日本文学科のカリキュラムも変わることを、お知らせしました。

ところが、2011年3月11日に東日本大震災の影響によって、文学部のキャンパス統合は、1年延期となりました。これを受けて、日本文学科の新カリキュラムの実施も、2013年4月からの実施となりました。

新カリキュラムは、青山キャンパスで4年間学ぶことを前提に、構想されています。相模原キャンパスと青山キャンパスとに分かれた状況で実施することは、極めて難しいと判断しました。

本当に残念です。そして、申し訳ございません。延期された時間を使って、新カリキュラムをゆるぎないものとして開始できるよう、鋭意準備を進めてゆきます。

なお、今年度、新カリキュラムの、文学分野における国際的な交流を学ぶ科目の先駆けとして、私の「日本文学演習」の授業を、「万葉集研究―ことばの美とその英訳」というテーマで開講しています。アメリカの日本文学研究者エドウィン・A・クランストンによる万葉集歌の英訳をテキストに、英訳を通じて浮かび上がってくる、『万葉集』のことばの美を考察しています。
*Cranston, A. Edwin. A Waka Anthology. Volume One: The Gem-Glistening Cup. Stanford: Stanford University Press, 1993.

ことばにならない複雑な感情を含んだ「やまと歌」を英訳することの難しさを感じたり、英訳によって、今まで当たり前と思っていた解釈を考え直したりしています。この授業では、最終的には、その学生が担当した歌の英訳を、学生自身が作ることを目標にしています。

まだ始まったばかりで、試行錯誤の繰り返しですが、日本語と英語との違い(その背後にある思想も含めて)、その違いの中で、万葉集歌を伝えようとすることの難しさと意義、翻訳というものの創造性などについて、学生の皆さんと少しずつ考えを深めています。

その成果を、いつかこのブログで紹介したいと思っています。


2011年2月22日火曜日

1年後の2012年4月から青山学院大学日本文学科が変わります

青山学院の紅梅
青山学院の紅梅(2011年2月)

(【追記・お知らせ】青山学院大学文学部の青山キャンパスへの統合と、日本文学科の新カリキュラムの実施は、東日本大震災の影響により、2013年4月に延期されました。「青山学院大学日本文学科新カリキュラムの実施の延期」をご参照ください)

2012年4月に、青山学院大学文学部のキャンパスは、青山キャンパスに統合されます。

現在、青山学院大学文学部では、1・2年次は相模原キャンパスで、3・4年次は青山キャンパスで学ぶ体制となっていますが、2012年4月からは、1年次から4年次まで全て青山キャンパスで学ぶことになります。

これに伴って、2012年4月から、日本文学科のカリキュラムも新しく生まれ変わります。日本語に関する授業が充実したものとなります。また、文学分野における国際的な交流を学ぶ科目や、現代の表象文化を探究する科目が開設されます。

文学分野における国際的な交流を学ぶ新しい科目では、日本文学を世界の文学の中で学び、日本文学研究を通じて世界の文学研究に貢献することをめざします。また、日本文学を海外に伝える力を身につけます。

具体的には、日本文学研究のための英語、日本文学とアメリカ・ヨーロッパ、アジアとの関係、日本文学の翻訳などを学ぶ授業の開設が予定されています。

日本文学を海外からの目で見つめ直すとともに、海外に向けて日本文学を発信してゆきたいという、意欲あふれる皆さんをお待ちしています。

関連記事:「これからの日本文学研究


2009年1月28日水曜日

卒業論文のこと(2008年度)

書物学への歩み

青山学院大学での、2008年度の授業も無事終わりました。今年度は、私のゼミナールでは、5編の卒業論文が提出されました。

・「雲紙本和漢朗詠集の書の研究」
・「書物における本文と料紙文様の関係」
 (粘葉本和漢朗詠集と近衛本和漢朗詠集を中心に料紙として用いられた唐紙の文様についての研究)
・「巻子本における文字と絵の関係」
 (太田切和漢朗詠集の下絵についての研究)
・「金沢本万葉集研究」
 (同時期の元永本古今和歌集と比較しながらの、レイアウトについての研究)
・「『日本霊異記』の諸本及び伝来と享受の研究」

日本文学研究・書誌学の論文のようにも見え、また美術史・書道史の論文のようにも見えます。実は、その両方を含む、新しい領域に挑戦したものです。

これらの論文の多くは、青山学院大学で所蔵している、平安時代の写本の複製を、3年次の演習で実際に調査したことが、出発点となっています。活字で読む古典とは異なる、「写本」の美に強く魅了されたことが、それぞれの「あとがき」に記されています。

平安時代を中心に、『万葉集』『古今和歌集』『和漢朗詠集』などの美しい写本が、数多く製作されました。従来の日本文学研究では、まずそれらの内容に目が注がれてきました。これらの詩歌集の原本は存在しません。そこで、正しい本文を知るための重要な手懸かりとして、平安時代の写本の本文が、注目されてきたのです。

もちろん、それらの写本の装丁や書なども研究されていますが、それはあくまでも写本の書写年代や書写者を推定することを目的とするものです。

一方、今日、美術史や書道史の分野で、これらの写本の料紙装飾や書の研究が活発に行われています。ただし、料紙は料紙として、書は書として研究されている面が強いようです。

しかし、さまざまな色の料紙も、金泥・銀泥などで書かれた鳥や植物などの下絵も、写本の一部を構成する要素です。「書物」としての効果を考えた上で、これらは利用されています。

また、書も、歌の内容に対する書き手の“解釈”を抜きにしては考えられません。加えて、書き手たちは、さまざまな書体・字体・字形を駆使しながら、一部の写本を全体として、まとまりがあるととともに、変化に富む「書物」に仕立てています。

“「書物」としての写本”の美に迫ろうとしたのが、これらの論文です。

苦心の痕が随所に伺えるとともに、思いがけない発見も含むこれらの論文を読んで、改めて強く感じたことは、写本が、原本の単なるコピーではなく、書写者・製作者の“解釈”のもとに、新たに誕生した「書物」である、ということです。

「書物」とは、書写されるたびに、その都度新たな「書物」として生まれ変わるものなのです。

*2009年度は、内地留学のため、残念ながら、私の授業は開講されません。1年間、今まで残してきた、万葉学史に関わる課題を仕上げ、また、この新たな「書物学」を深めてゆきたいと思っています。

2008年1月16日水曜日

青山学院大学授業予告(その2)

昨年末の記事で、2008年度開講予定の2つの授業について、紹介しました。青山キャンパスでの、残る「日本文学特講」についても、次のようなテーマで開講することにしましたので、お知らせします。

■「古代書物の美」
(学部・日本文学特講)〔火曜日午後。対象=3、4年生〕

巻子本を中心とする、日本古代の書物の装丁(ブックデザイン)について、装飾と実用、外形と内容の関係などを考察します。

��前 期] 奈良時代の史料には、巻子本の、多彩な装丁が記録されています(例えば、孝謙天皇所持の『金光明最勝王経』は、紅紙・紅表紙・斑綺・赤木軸)。①料紙、②表紙、③紐、④軸、を組み合わせて作り上げられる、巻子本の姿が、書物の種類(仏教経典ならば、経典の種類)、利用方法、製作年代などと、どのように関係しているかを分析します。分析には、現存する、日本古代の巻子本も手懸かりとします。合わせて、敦煌写本の、紐を中心とする、装丁についての調査結果も紹介します。

��後 期] 桂本(かつらぼん)をはじめとする、平安時代に書写された、『萬葉集』の写本を、一部の「書物」として考察します。『萬葉集』の写本は、正しい本文を復元するための、重要な資料とされてきました。しかし、それらは、時代の価値観や美意識に深く根ざしたものであり、それぞれが、ひとつの“萬葉集”であると言えます。書・料紙・下絵(鳥虫草木などのデザイン)・レイアウト・装丁、そしてそれらと内容の関係を、総合的に捉えながら、生成し続ける「書物」として『萬葉集』の歴史を追います。


2007年12月25日火曜日

青山学院大学情報(授業予告)

2008年度に、「万葉集と古代の巻物」というテーマに関連して、私は、次のような授業の開講を予定しています(ともに、渋谷の青山キャンパスにて開講)。

■「日本書物史における元明朝」(大学院・上代文学演習)〔金曜日午前。対象=大学院生〕

『万葉集』巻1・2の増補、『古事記』の完成、『風土記』編纂の下命、『王勃詩序(ほうぼつしじょ)』(正倉院蔵。継色紙に書かれた、初唐の詩人・王勃の序文集)の製作、長屋王による『大般若経』(600巻)の書写などが行われ、染織担当の官司も本格的な活動を開始し、日本古代の書物文化が一挙に花開いた、8世紀初頭の元明(げんめい)女帝の時代について、総合的に考察します。

■「古代書物の調査・研究」(学部・日本文学演習)〔火曜日午前。対象=3、4年生〕

巻子本の特質と歴史、またその調査方法について、画像や複製本を使いながら、具体的に解説します。その上で、受講者自身が、青山学院大学の所蔵する、日本古代の書物の複製本を、詳しく調べます。自分の目で見、自分の手で触れながら、巻子本の調査・研究の方法を、実践的に身に付けてもらいます。
1000年の時を経てきた、貴重な古代の仏教経典の断簡(実物。青山学院大学蔵)の調査も行う予定です。

青山学院大学


青山学院大学情報(入試)

私の所属する、青山学院大学の学生募集についての情報を、お知らせします。

��1)青山学院大学大学院文学研究科日本文学・日本語学専攻
(*詳細は、青山学院大学大学院入試・入学案内ホームページ参照)
①募集: 博士前期課程(秋入試・春入試〈今回〉あわせて6名)、および博士後期課程(2名)
②出願: 2008年1月11日(金)~16日(水)
③筆記試験・面接: 2008年2月22日(金)
(*2008年度入試から、筆記試験と面接を1日で行います)
④合格発表: 2008年3月1日(土)
※青山学院大学・大学院生・卒業生も、他大学・大学院生・卒業生も、全く同じ資格で受験できます。

(2)青山学院大学文学部日本文学科科目等履修生
(*詳細は、青山学院大学入試・入学案内の「科目等履修生」の項目参照)
①募集: 社会人等若干名(受験資格については、「募集要項」参照)
②出願: 2008年3月6日(木)・7日(金)
③選考日: 2008年3月13日(木)
④合格発表: 2008年3月17(月)