2007年10月9日火曜日
桂本万葉集を巻物にする
桂本万葉集の複製(写真版)を見ていると、巻物で味わいたくなります。
桂本では、漢字と平仮名が次々と変化するばかりではありません。料紙も、藍・白・白・淡紫・淡茶・淡藍・淡茶と色が変わってゆきます。その料紙には、鳥や蝶、萩・薄・笹などの植物が、金と銀で描かれています。
手軽に桂本を巻物として味わう方法をお伝えします。
①『桂本万葉集』(日本名筆選27、二玄社、1994)の2~57ページをカラーでコピーします。
②それぞれのページの写真の部分を切り取ります。
��*右側の白い部分を2cm幅で、糊代として残しておくことが大切です。)
③切り取った写真の、それぞれの縦の長さが同じになるように、カッターで仕上げます。
��*この時、文字や絵がうまくつながるように注意してください。)
��*縦の長さを揃える時に、写真を切り過ぎないようにしましょう。桂本の本来の縦の長さ27.0cmであることを念頭に置いておいてください。)
④切り取った写真をつなぎます。巻首に近い方が上になるようにしてつなぎます(これが、巻物の決まりです)。ですから、終わりの写真から、2cm幅の糊代に、一つ前の写真の左端を重ねて貼り付けてゆくというのがよいでしょう。
��*糊は、水気の遠いものがよいでしょう。文具店にあるスティックのりで充分です。)
��*勘で貼ってゆくと、ゆがんでゆきます。長い机のへりに、写真の下部を合わせながら貼ってゆくと、あまりゆがまずにすみます。)
⑤巻首の1枚まで貼ったら出来上がりです。
��*長いので、すでに貼り付けたところが、作業をするのに邪魔になります。非常にゆるく巻きながら、作業を進めるとよいでしょう。きつく巻いておくと、はみ出た糊で、思わぬところが貼り付いてしまうことがあります。)
表紙や軸を付けてもよいでしょう。簡単な表紙や軸ならば、東急ハンズで購入することができます(掛け軸用のを転用します)。
自分だけの「桂本万葉集」を、肩幅程度に開いてみてください。そして次に開いた部分を右手に巻き込んで、左手で持っている部分から、もう一度肩幅程度の長さを引き出してみてください。絵柄ががらっと変わることに驚くことでしょう。
今まで知らなかった『万葉集』の世界が目の前に広がってくるはずです。