2007年10月11日木曜日

展示情報(2007年10・11月)

2007年10月、11月には、『万葉集』関連の展示、古代の巻物の展示として以下のようなものがあります(書名は、博物館・美術館の名称に従っています。なお、この記事は随時、増補します)。

東京・五島美術館「秋の優品展 絵画・墨跡と李朝の陶芸」(2007年9月1日(土)~10月21日(日))
・光明皇后願経五月一日経 四分律蔵巻第四十(重要美術品)〔奈良・8世紀〕
・称徳天皇勅願一切経 十誦律 第三誦巻第十七(重要文化財)〔奈良・8世紀〕
・過去現在絵因果経断簡(益田家本) 耶舎長者出家願図〔奈良・8世紀〕(展示予定期間9月26日~10月21日)
��その他、『紫式部日記絵巻(五島本)』(国宝)も展示されます(10月13日~21日)。

○広島・厳島神社宝物館「特別展示」(2007年10月27日(土)~11月25日(日))
・平家納経(国宝)〔平安・長寛2年(1164)〕

東京国立博物館平常展
「仏教の興隆」
・仏説宝雨経 天平十二年五月一日光明皇后願経〔奈良・8世紀〕(9月19日~10月28日)
・文陀竭王経〔奈良・天平12年(740)〕(同上)
・中聖武切〔奈良・8世紀〕(同上)
国宝室
・秋萩帖(国宝)〔平安・11~12世紀〕(10月10日~11月4日)
��万葉歌が、草仮名で書写されています。

奈良国立博物館「第59回正倉院展」(2007年10月27日(土)~11月12日(月))
*昨年の情報を掲載していました。大変失礼いたしました。追記を御参照ください。

愛知・徳川美術館企画展「王朝美の精華―かなと料紙の競演―」(2007年10月6日(土)~11月4日(日))
��金沢本万葉集を書写した藤原定信(ふじわらのさだのぶ)の筆の石山切貫之集などが展示されています。力強い筆づかいの定信作品を数多く見ることができます。

○京都・仁和寺霊宝館「秋期名宝展」(10月1日(月)~11月23日(金))
��仁和寺霊宝館の名宝展では、中国文化圏で年代のわかる最古の冊子本である『三十帖冊子』(国宝。空海ら筆。平安・9世紀初頭)が2冊ほど展示されます。冊子本のはじまりの姿を知る絶好の機会です。今年の「秋期名宝展」で『三十帖冊子』の展示があるかどうかは、仁和寺霊宝館にご確認ください。
��『万葉集』の時代には、冊子本はまだ日本には伝わっていなかったことが実感できます。

いくつかの展示につきましては、わかりやすい解説記事を、このブログに掲載します。 


【追 記】

奈良国立博物館「第59回正倉院展」(2007年10月27日(土)~11月12日(月))

・四分律巻第十五(唐経) 1巻 聖語蔵2-6
・四分律巻第二十七(光明皇后御願経) 1巻 聖語蔵3-81
・須摩提経(称徳天皇勅願経) 1巻 聖語蔵4-74


*唐経と光明皇后御願経の『四分律』が出品されています。両者の、紙色や、筆勢の違いが注目されます。